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結局どれなんじゃあああい!!!【アカスジベッコウVSナンヨウベッコウVSフチトリベッコウ論争】

夏に西表にて撮影していたアカスジベッコウ?と思しきトンボ写真。ブログ記事としても8/26にアップしています。記事はこちら。「アカスジベッコウトンボ」

アカスジベッコウトンボ
2015/08/03 西表島にて撮影

こいつ。実はこの記事を書こうとしてアカスジベッコウの学名を調べようとググった際、なんだか似た種がいるらしいということを初めて知りました。しかしネット上の情報では八重山に定着しているのはアカスジベッコウNeurothemis ramburiiだということもあり、よく調べずにまあそんなものか、とアカスジベッコウ(N. ramburii)としてアップしていました。
似た種とは、ナンヨウベッコウトンボNeurothemis terminataと、フチトリベッコウトンボNeurothemis fluctuansの2種。フチトリベッコウ(N. fluctuans)は後翅翅端の透明部分が後部へ回りこむようになるので一目瞭然なのですが、アカスジベッコウ(N. ramburii)とナンヨウベッコウ(N. terminata)の違いがわからん。というわけで更にググったところ、行き当たったのはこちらこの画像(他サイトさんに飛びます)。

アカスジナンヨウフチトリ
(他サイト様からの引用です。すみません)

これによると、やはり大きく違うのがフチトリ(N. fluctuans)。♂のナンヨウ(N. terminata)と♂アカスジ(N. ramburii)は似てはいるものの、これを見る限り部分的に3列になるのがナンヨウ(N. terminata)、そうでないものがアカスジ(N. ramburiiのようです。

じゃあ先日撮った写真を見比べてみようじゃないか!ええと……この部位が写ってる写真はと……

アカスジベッコウトンボ
2015/08/03 西表島にて撮影
うーん……

ナンヨウベッコウトンボ
ナンヨウ
2015/08/03 西表島にて撮影
こっちのほうがよさそう。……あ!3列になってるとこある!!!!!
え?じゃあこいつはナンヨウ(N. terminata)ってこと?


そして画像を漁ってましたら一昨年西表で採集した(正確にはこの後リリース)Neurothemisの写真を発掘しまして。
アカスジベッコウトンボ
アカスジベッコウ
2013/08/10 西表島にて撮影
古いほうのカメラで撮ったのであまり鮮明ではないけれど、2列!ということはこいつはアカスジ(N. ramburiiなのか?????


結局トンボは普段さっぱり採らないのでわからないことだらけ。混乱しまくった挙句、ちびオオセンチのお知り合い唯一のトンボ屋さんである尾園さん(@PhotomboOzono)にTwitterで泣きつくことに。

ちびお「尾園さんー西表で今夏撮ったアカスジはナンヨウだったみたいなのですが……」
尾園さん「知り合いの研究者の方に聞いてみるね!」

尾園さんの優しさ……!!!。+゚(゚ノД`゚)゚+。

というわけで研究者の方々に聞いていただいたところ、ちびお写真について教えていただいたことは以下。

① cu室(三角形の部分)は複数の横脈が走っているのでアカスジ(N. ramburii)ではなくナンヨウ(N. terminata)の特徴である。
② ナンヨウ(N. terminata)は典型的には後翅の着色部の先端がもう少し直線状であるが、これにも個体差がある。
③ とはいえ2種は非常によく似ており、また両者とも生息する地域もあり、更に台湾やフィリピンにおいては中間的なものもいるとか。
④ 翅脈については変異が大きく、典型的でないものも多いため翅脈のみでの同定は不可能。
⑤ 印象的にはアカスジ(N. ramburii)のように見える。


とのことでした。まとめると、


【まとめ】
アカスジ(N. ramburii)とナンヨウ(N. terminata)は非常によく似ており、双方とも外見上の個体差が大きく、交雑個体も存在するため、採集してDNAをみないとはっきりわからない。


ということみたいです。外見上の差も大してなく、交雑もするし混生してもいるなんてもうシノニムでいいんじゃ……とか素人としてはついつい考えてしまうのですが、DNAをみるとそれなりに違いがあるんだとか。

ちなみにアカスジ(N. ramburii)は更に、日本に入っているとされるN. r. ramburii以外にも、
N. r. martini
N. r. oceanis
N. r. papuensis

という亜種に分かれるそうですよ。別種でさえここまではっきりしないのに、その亜種とかまじ闇でしかねえですね。


というわけで、今年の夏に出会った彼はナンヨウベッコウトンボNeurothemis terminataの特徴をもってはいるが、アカスジベッコウトンボNeurothemis ramburiiの可能性が高い、ということになりました。はっきりわからなかったといえばそれまでなのですが、逆をいえば皆がアカスジ(N. ramburii)だと思っていた個体にナンヨウ(N. terminata)が紛れている可能性もあるということで、とても面白く感じます。しかし結局、撮影だけではだめなのだなあと。きちんと同定し、学ぶには採集することこそが大切なのだと感じました。
最後になりましたが、教えていただいた尾園さんと、研究者の方々には本当にお世話になりました。また南西諸島で採集・撮影をするのが、今からとても楽しみであり、今回のことはとても勉強になりました。浅学のためまた頼らせていただくことがあるかもしれませんが、どうぞよろしくお願いいたします。
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ちびオオセンチ

Author:ちびオオセンチ
vip虫すれ在住だった虫コテ。
太陽神で虫が好き。
カミキリ屋見習い。

☆おともだち☆
・D5300
・SIGMA 17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSM
・TAMRON SP AF90mm F/2.8 Di MACRO 1:1
・SIGMA 10mm F2.8 EX DC FISHEYE HSM
・SIGMA APO MACRO 150mm F2.8 EX DG OS HSM
 
生き物に関係することをあれこれ書いています。
八重山諸島によく行くので、旅程モデルや島情報なんかも挙げてます。便利な採集用具まとめなんかも。詳しくはカテゴリの「便利情報まとめ」をどうぞ。
たまに日々の備忘録とか、ゲームとか。

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